2005年・2013年と、二度の教育改革を経て、 EU連合が定めた特別支援教育プログラム。
「すべての子どもに参加する権利がある」を 理念とし、インクルーシブ教育を推進しているデンマーク。
今回、デンマーク文科省(教育省)の紹介で 訪問した学校は、コペンハーゲンの公立学校の中心的存在である。
担当して下さった副校長のKirsten Hanne Hansen先生は、EU連合および北欧の教育会議に参加するデンマークのインクルーシブ教育の第一人者であり、大変学び多い時間であった。
デンマークにおけるインクルーシブ教育(統合教育)の現状を学びつつ、来年のフェスティバルについても、良いお返事を頂いた。
「我々は一人や少数で出来ることを考えてはいない。いかに社会や多くの他とつながるか、それを何より大切にしている。」
理想的なシステムがここにあると感じた。 率直な感想である。
■ハード・ソフトからみる「統合教育」
デンマークの統合教育は、当初、財政面を考え推進されたと聞き、驚いた。
確かに分離する環境では、ハード面での経済的負担は大きい。
ソフト面はどうだろう。
「子どもが中心である」という考え方の統合教育は下記を重視する。
1、子ども達の声を聞いて全てを決める
2、強みを子ども達自身が伸ばしていく
3、保護者、外部との連携を密にする
4、すべての関係者に対して、情報共有する (障害を持った子ども達の兄弟も参加する)
一見大変に見えることを、日常的に行った結果、先生方の仕事は効率化されて行ったのだという。
課題は、もちろんある。
重度障害を持つ子ども達の支援だと教えて頂いた。
今回、明確になったことは2つ。
インクルーシブ教育(統合教育)は、「子どもの生きる力」を引き出し、育めること。
ハード・ソフト両面から見ても、持続可能な社会形成に適しているということである。
「インクルージョンフェスティバル」でどこまで実現できるかはまだ未知だが、あるべき理想像が見え、取り組むべき目標が出来たことをまずは感謝したい。
【Øster Farimagsgades Skole】
KØBENHAVNS KOMMUNE Børne– og Ungdomsforvaltningen Område Indre By/Østerbro
Øster Farimagsgade 40, Stuen 2100 København Ø(生徒775名)